レディースホームFAQA.基礎知識編

7.生理が不順なのですが心配ないでしょうか?

 

 

 最初に、初経以来ずう〜っと不順なままであるという方へのお話をしましょう。

 生理が初経以来ずっと不順だという場合、一番問題となることは排卵があるかないかでしょう。
 排卵の有無を自分で知るためには、基礎体温表を記録することが最も簡易な方法です。基礎体温の測定の仕方についてはこちらを、基礎体温表から排卵日を推定することに関してはこちらを参照にしてください。後者には、自分で排卵を知るための方法についても記載がありますので参考にしてみてください。
 基礎体温を記録してみて、低温・高温の二相に分かれていてかつ高温期の期間がおおよそ2週間前後(通常14±2日が正常といわれています)あるのなら、まず排卵はあると思って良いですから、あまり心配することはないでしょう。こういうケースでは、生理が来てから次に排卵するまでの期間がまちまちなだけで、排卵はちゃんとあるのですから妊娠することも可能です。したがって特別に治療を必要とすることはまずないと思って良いと思います。
 問題は、きちんと排卵が起こっていない場合、すなわち基礎体温の記録上で低温期だけで高温期がはっきりしない(もしくは高温期が短い)場合です。この場合、排卵がないままに生理が来ている状態(無排卵月経)と考えられ、治療が必要となる場合も考えられますので一度産婦人科を受診すべきでしょう。
 では、以下に排卵がない場合の対処についてを簡単にお話ししておきましょう。
 対処の仕方は今すぐに妊娠を希望しているかどうか、によって異なります。
 今すぐに妊娠を希望している場合には、排卵を起こしてあげる必要がありますから「排卵がない場合にはどういう治療をする?」という項目を参考にしてみて下さい。この場合には当然病院で治療を受けることになりますので、今のあなたの状態を良く聞いてどういう方法が好ましいのかをきちんと聞いておくようにしましょう。なお、検査項目のうちLH、FSHに関してはこちらに、プロラクチン(PRL)に関してはこちらに記載がありますので参考にして下さい。
  今すぐには妊娠を希望していない場合には、他の疾患がない限り(高プロラクチン血症、多嚢胞性卵巣、内分泌障害(甲状腺機能障害や副腎機能障害等)、卵巣嚢腫、糖尿病、膠原病など)、少なくとも三ヶ月に一度生理が来ているのであればそのまま経過を見ていて良いでしょう。このようなケースでは自然に排卵が起こってくることも十分に考えられますから、今すぐに排卵を起こすことは考えなくても良いのですが、試しに一、二度排卵誘発剤を服用してみることでこれが刺激となって自然排卵することもままみられるため、排卵誘発剤を試しに何度か服用してみるということも治療効果を期待できる一つの方法であると知っておくと良いかもしれません。
 三カ月以上生理が来ないことが頻繁にある場合には、放置すると将来妊娠するのに差し支えが出る場合も考えられるため生理を起こすことを考えた方が良いでしょう。生理を起こすためには内服、注射によってホルモンを投与するのが一般的で、場合によってはカウフマン療法というホルモン投与の仕方を行うこともあります。

 いずれにしても、一度病院を受診して背景に何も病的異常がないかどうかを確認しておく必要はありますので念頭に置いておいて下さい。

 さて、以降はことのほか気になるであろうことに関してですが・・・
 その第一は、人工妊娠中絶を受けたことのある場合、及び流産のために子宮内掻爬の処置を受けたことがある場合の話です。

 人工妊娠中絶をしてから、あるいは流産をしてから生理が不順になった、という話を良く聞きます。
 やはり、掻爬したことと何か関連があるんじゃないかと心配になりますね。では、こういう場合はどういうことが考えられるか?ということですが、まず考えられるのは「妊娠したこと」あるいは「中絶したこと」がきっかけとなって排卵がなくなってしまった、ということでしょう。これには病的な場合とそうでない場合とがあります。
 後者の方は、だいたいが一時的なもの、あるいは一度排卵誘発を行ってみるだけで簡単に治癒してしまうようなものである場合が多いですから、診察を受けて「あまり心配はない」と言われた場合には、こちらの方と思って良いと思います。また、最初にもお話ししたとおり基礎体温を記録してみてきちんとした二相性になっているのであれば、排卵はあると思って良いですからそのまま様子を見ていても良いと思います。
 問題は前者の病的な場合です。
 こちらのケースとして最も多いのは高プロラクチン血症です。流産の場合でもそうですが、たとえ短い期間であっても一度妊娠をすると、妊娠の終了とともにプロラクチンが上昇するようになる場合があります。母乳が漏出してこなくてもプロラクチンが高くなっているために排卵が抑えられ、その結果生理が不順になったり生理が来なくなったりするケースです。
 これについてはリンク先に詳細がありますので、そちらを参照して下さい。
 続いて数少ないことですが、中絶でも流産の処置でもあり得ることとして、「出血が大量になる」という場合があります。 この場合、大量出血の結果として脳下垂体への血流が一時的に途絶え、脳下垂体の壊死を起こすケースがあり、その結果脳下垂体から分泌されるホルモンが全般的に減少してしまうことが稀ながらあります。シーハン症候群といいますが、症状としては月経不順あるいは無月経のほかに、急激な体重減少、脱毛、易疲労感、低体温、性欲減退などが伴うようになります。 こちらの場合は原因が脳下垂体の壊死にありますから、問題は比較的深刻です。脳下垂体からは各ホルモン分泌器官(甲状腺、卵巣、副腎など)を刺激するホルモンが分泌されていますから、脳下垂体の機能低下の結果としてこれらの器官から分泌されているホルモンも欠乏してしまっていますので、これらのホルモンを補充をしていかなければならなくなりますし、また妊娠するためには注射による排卵誘発(HMGーHCG療法)が必須となります。
 シーハン症候群となるケースはかなりまれですから、「そういうこともある」くらいの知識として知っておけば良いと思います。

 次に第二として、ダイエットをしてから生理が不順になった、という場合があります。
 急激な体重減少によって体重に占める脂肪組織の割合が減少するだけで生理が不順になったり無月経になったりすることが知られていますが、比較的軽症のケースでは食餌摂取によって体重を元に戻すことで生理も元に戻るようです。しかし、長期に渡る月経異常、無月経を放置した場合や、間脳・脳下垂体の機能に異常を来している場合には、排卵を起こすのも難しいケースもまま見られ、比較的深刻な状態と言えるかもしれません。
 このような深刻なケースでは、ホルモン値に異常がない限りは栄養のバランスのとれた規則正しい食生活を指導すること、無月経に対しては月経を起こすようにホルモン投与を行うことで対応し、必要に応じてビタミン剤や精神安定剤、漢方薬などの投薬を試みるのが普通です。
 もし既婚ですぐにでも妊娠することを希望している場合には排卵誘発が必要となりますので、その場合にはこちらを参考にしてください。
 いずれの場合にしても、最も大事なことはダイエットを意識した食生活を正してバランスの取れた規則正しい食生活を心がけることであり、肥満を予防するために適度な運動を心がけるようにすることであると考えてください。また、基礎体温をつけておいて排卵が起こっているかどうかを確認することも重要なことですから、できる限り基礎体温をつけておくようにしましょう。

 

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