最も多いケースは、やはりホルモンバランスの乱れから来るものでしょう。
体調不良、ストレスなどによるものがほとんどですので、まずは原因を除去できるように考慮することが大事でしょう。
ホルモンバランスが崩れたための出血に対しては、まずは止血剤を投与してみるのが普通ですが、これだけでは止血できない場合も多くホルモン剤を投与することも多々あり、それでも止血しない場合には、子宮内掻爬術を行うこともあります。
投薬の仕方は内服、注射(止血剤の場合は点滴の場合もある)が一般的で、内服の場合にはピルを用いることもあります。ピルを用いる場合、服用すると吐き気や頭痛、めまい、だるさなど感じる場合があります。大抵は2、3日服用を続けていくと落ち着いてきますが、服用を続けていても症状が落ち着かない場合には、病院を受診して先生にご相談なさって下さい。
(ピルの副作用についてを参照)
ホルモンを用いての治療として、カウフマン療法というものもあります。これについては別記してありますのでそちらをご覧下さい。また、ホルモンバランスの乱れについてはこちらを参照してください。
この他には、膣炎とびらんによる出血、子宮筋腫による出血、子宮頸管ポリープ、子宮癌などが考えられます。いずれにしてもこれらの疾患の場合、生理が止まらないというよりもむしろ不正出血があったという形で自覚されるほうが多いので、こちらの記載も参考にして下さい。
そしてもう一つ忘れていけないのは、流産もしくは切迫流産による出血という場合です。
特に生理不順の人は注意を要するので気をつけて欲しいのですが、妊娠をしたのに初期で流産に至る場合(または流産しそうな状態にある場合。切迫流産といいます)にはこのような形で自覚されることが往々にしてあります。自然に止血してしまうことも多くこのような場合では「生理の量が多い」とか「生理の出血に混じって肉片が出た」などとして自覚されることになりますが、しかし生理だと思う出血が長引いて止まらないとして自覚されることもよく見られます。
流産による出血の場合には子宮内掻爬をしないと止血しないことが多いので、産婦人科できちんと処置をしてもらう必要があります。
なお、流産ではなく切迫流産による不正出血の持続の場合には、適切な治療(投薬、安静など)によって妊娠を持続することも可能です。
妊娠している可能性があるかも・・・という場合は、まず市販の妊娠検査薬で判定してみるか、もしくはすぐに産婦人科を受診してみた方が良いでしょうね。
なお、更年期近くになると「生理が止まらない」ということはよく見られます。
それまで順調に生理が来ていても、ある日突然このような症状が起こり、生理不順や不正出血を繰り返しながらやがて生理が来なくなるという形が最も多いのですが、しかし更年期というのは個人差が激しく、標準的な終わり方というものはないと思っていた方が良いと思います。血液検査でLH、FSH、E2を測定し、LH、FSHが高値でE2が低値を示した場合には、更年期によるものが疑われます。
更年期かどうかについては、随伴する更年期症状があるかどうかなど、いろいろな面を含めて判断すべきことだと考えた方が良いでしょう。
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