この場合でも一番多いのは、ホルモンバランスの崩れが原因となる場合です。
ホルモンバランスの崩れに関しては、こちらを参考にして下さい。
この他には、膣炎とびらんによる出血、子宮筋腫による出血、子宮頸管ポリープ、子宮癌などがあります。ここではそれぞれについて簡単に解説をしておきます。
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*膣炎とびらんによる出血
おりものが多いなと思っていたところへ不正出血があった、という場合、膣炎とびらんによる出血という可能性が最も高いと考えられます。
膣炎というのは、膣の中に細菌などが侵入したために起こる炎症のことを指しますが、膣炎が起こるとびらんから出血しやすくなります(びらんについてはこちらも参考にして下さい)。
したがってこの場合の治療は膣炎の治療が主体となり、抗生物質入り膣錠を用いるか、あるいは抗生剤の内服を行います。びらんの出血に対しては塩化第二鉄などの塗布を行うことで止血することもできます(「薬で焼いておいたから」と言われた時は、たいてい塩化第二鉄ないしは硝酸銀をびらんに塗布したものと思って良いでしょう)。薬物の塗布だけでは止血できない場合は電気凝固ないしは冷凍凝固によりびらんの焼灼を行うこともあります。詳細は「びらんってどういうものなのでしょうか?」をご覧下さい。
なお、更年期を過ぎてからの不正出血の場合には、たいていびらんは縮小していますので膣炎自体によって膣壁から出血している場合が多くなります。このようなケースでは女性ホルモンの不足が原因であることが多く、エストロゲンという女性ホルモンの入った膣錠を用いるか、またはエストロゲンの内服か注射を行うことで治癒します。このような膣炎は「萎縮性膣炎」もしくは「老人性膣炎」と呼ばれます。
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*子宮筋腫による出血
子宮筋腫では筋腫分娩というケースが多いようです。
これは、筋腫のコブが子宮腔内から膣の方に向かって落ちてきたもので、小さなものでは膣式に切除することも可能ですが、大きなものではたいていの場合、子宮を全摘する必要があります。また、このケースでは出血が時々あるというより出血が多くて止まらないという場合が多いようです。
筋腫分娩を除けば、子宮筋腫があるだけではあまり不正出血は起こさないものと考えて良いのですが、ストレスなどの原因によりいったん出血をすると、その出血がかなり多くなる要因にはなり得ますので、筋腫を持っていらっしゃる方はこのことを頭にとどめておいて欲しいと思います。
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*子宮頸管ポリープ
子宮頸管ポリープも、不正出血の原因として比較的頻繁に見られるものです。
これはたいていの場合は外来で簡単に切除できます。
ほとんど癌の心配はないのでまず心配はいりませんが、1度できると何度も繰り返してできてくることが多いものです。体質なのでしょうが、そういう意味ではうっとおしい病気かもしれませんね。
なお、こちらにも詳細がありますのでご参考に。
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*子宮癌
これは言わずもがなでしょう。
子宮癌には子宮頸癌と子宮体癌とがありますが・・・
子宮頸癌で出血してくる場合にはかなり進行していることが多く、子宮・卵巣のほか、リンパ節まで含めての拡大手術が必要になるでしょう。
子宮体癌では比較的初期から不正出血を起こす場合がありますが、こちらもやはり進行してきて初めて不正出血をおこすこともありますので注意が要ります。
いずれにしても、きちんと年1回の子宮癌の検診を受けていれば、たとえ不正出血があったとしても進行癌の危険は少ないものです。少なくとも30歳を過ぎたら、年に一度は子宮ガン検診を受けるようにしましょう。
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