レディースホームFAQA.基礎知識編

6.カウフマン療法について教えて下さい

 

 生理がまともに来ない、無月経状態が続いている、不正出血が続いているなどの場合に、カウフマン療法という治療法を受けることがあります。
 これは、1週間前後の期間卵胞ホルモンを投与し、続いて卵胞ホルモン+黄体ホルモンを2週間前後投与するという形で行われます。

 

 

 卵胞ホルモン投与は、プレマリン、プロギノン、オバホルモン、ペラニン、エストルモン、ノアルテンなどのエストロゲン製剤の内服ないしは注射が用いられ、続く卵胞ホルモン+黄体ホルモン投与にはピル製剤(ドオルトン、ノアルテンD、ソフィア、プラノバールなど)を用いるか、もしくは上記のエストロゲン製剤に加えてプロゲステロン製剤(プロゲデポー、プロゲホルモン、プロゲストンなどの注射、もしくはルトラール、ヒスロン、プロベラ、デュファストン、ノアルテンなどの内服 )を併用することが多いと思います。

 では、これはいったい何を目的にしたものか?ということですが・・・
 まず下のイラストをご覧下さい。これは正常の人の月経周期に伴うホルモンの変動を示したものです。

 

          

 これと、先述のカウフマン療法でのホルモン投与の仕方を比べてみてください。
  「1週間前後の期間卵胞ホルモンを投与し、続いて卵胞ホルモン+黄体ホルモンを2週間前後投与する」というのは、ちょうど正常の人の生理が終わる頃から月経が来るまでのホルモン動態と同じものであることがおわかりかと思います。
 つまり、カウフマン療法というのはホルモンを投与することによって通常の(バランスの取れた)ホルモン動態を再現することに他ならないわけです。

 生理の周期がおかしい、生理が全く来ない(無月経)、不正出血が止まらないなどの場合、ホルモンバランスが崩れている(→「ホルモンバランスを崩すってどういうことですか?」参照)ことが原因である場合がほとんどと言って良いのですが、このような場合不足しているホルモンを補ってあげることで治療することが可能となります。
 このような意味で正常なホルモンバランスを再現する「カウフマン療法」を用いた治療がなされ、その結果不正出血を抑えたり生理をきちんと来させたりして正常の周期に戻してあげるわけです。
 なお、このカウフマン療法を数ヶ月続けることで人工的にホルモンバランスを整え、次いでこれを終了すると、「リバウンド効果」によっていままでサボリ気味だった卵巣がきちんと働き出すという期待も持てます。月経不順や無月経の人に対してはこのように数ヶ月カウフマン療法を行うことも多いようです。

  ■関連するリンク
    ・ホルモンバランスを崩すってどういうことですか?
    ・生理が止まらない
    ・中間期(生理と生理の中間)に出血する