レディースホームFAQE.基礎体温と排卵に関するもの編

4.高温期が短いような気がする

 

 高温期は通常、14±2日間(12〜16日間)であると言われています。
 高温期というのは排卵から月経が来るまでの間に見られる体温が少し高めになる時期のことを指しますから、高温期が短い(=高温期が12日以内である)という場合、排卵もしくは排卵後に形成される黄体に何らかの異常があることが疑われます。

 基礎体温で排卵後に高温期となるのは、卵巣に形成された黄体から出されるプロゲステロン(黄体ホルモン)が体温上昇作用を持っているためです。従って、高温期が短いという場合、黄体の働きが悪いのでは?ということがまず想像されます。よって、このような場合には「黄体機能不全」という病名がつけられ、検査・治療を行うことになります。
 このようなケースでは、黄体期の補完という意味で、HCGという注射を高温期に行うこと、黄体ホルモン剤(プロゲステロン製剤)を投与することなどで対処するのが普通といえるでしょう。

 ところが、最近この黄体機能不全と言われるものの中に、黄体化非破裂卵胞(LUF)というものが存在することがわかってきました。これは、排卵して良いほどに卵胞が成熟したにもかかわらず、排卵が起こらないままに黄体化してしまうという現象です。黄体機能不全と診断を受けた人のおよそ3割ほどにLUFという現象が起こっている、と考えられています。
 通常排卵は、生理の終わり頃から卵巣内に成熟してくる卵胞が、直径およそ2cmほどになったところで破裂するという形で起こり、そして排卵したあとの卵胞は黄体に変化して、黄体ホルモンを出すようになります。黄体ホルモンは子宮頸管に作用して頸管粘液を減少させ、精子の子宮内への侵入をシャットアウトするのと同時に子宮内膜に働きかけて受精卵の着床に備えるようにさせ、そして体温を上昇させるように身体に対して働きます(下のイラストを参照してください)。
 ところが、LUFでは排卵が起こらないまま卵胞が黄体に変化しますから、当然受精は起こらないままなのに体温が上昇するということになります。
 この結果、黄体の寿命が短縮して高温期間が短い、という現象として現れることになります。

 

 

 LUFという現象はまた、きちんと高温期が14日前後ある人にも見られるといわれており、その割合はおよそ5%程度であると考えられています。同時にLUFは毎月の排卵のたびに発生するものではなく「時々」起こっているものであるとも報告されています。
 つまり、黄体機能不全と考えられる「高温期間が短い人」だけでなく、「高温期が14日前後ある」正常の排卵周期と考えられる人にでも発生していると考えられ、これがなかなか妊娠しない原因の一端をになっているケースも考え得るということになります。
 このあたりはまだはっきりと解明されたものではないところで、これからの研究に期待したいところでしょう。

 なお、LUFかどうかは、排卵期に先生に診察を受けなければ診断はできません。
 高温期が短い、と思った人は、産婦人科を受診してきちんと排卵があるかどうかを確認してもらうべきでしょう。
 

 

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