- FSH(Follicle Stimulating Hormone)
;卵胞(濾胞)刺激ホルモン
卵巣に存在する卵胞(卵を取り囲んで卵の発育を補助する胞状体;イラスト2参照)を刺激して発育を促す働きを持つ。卵胞が発育することによって卵が成熟し、同時に卵胞ホルモン(エストロゲン)も増量する。
正常値:卵胞期 3.4〜13.9(7.8)mIU/ml
排卵期 3.5 〜21.1(8.7)mIU/ml
黄体期 0.9 〜 9.3( 3.7)mIU/ml
閉経後34.8 〜190.4(97.0)mIU/ml
- LH(Lutenizing Hormone)
;黄体化(黄体刺激)ホルモン
成熟した卵胞(グラーフ卵胞;イラスト2参照)に対して排卵を促す作用と、排卵後の卵胞に対して黄体化を促す作用とを持つ。黄体化が起こることによって、卵胞ホルモン(エストロゲン)に加えて、妊娠維持に必要なホルモンである黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されるようになる。卵胞発育に対してはFSHの補助的役割を担うと考えられている。
正常値:卵胞期 1.1 〜18.3( 6.1) mIU/ml
排卵期 4.6 〜84.7(19.7)mIU/ml
黄体期 0.5 〜12.0(2.5)mIU/ml
閉経後 8.7 〜68.1(28.9)mIU/ml
さて、ではまず下の[イラスト1]をご覧下さい。
これは脳による卵巣の調節機構を示したものですが、先に記述したようにLH、FSHは脳下垂体という部位から放出され、卵巣を刺激する働きを持っています。それぞれのホルモンの働きは上述したとおりですが、これらのホルモンの働きによって卵巣には下の[イラスト2]のような周期的変化が生まれ、この結果卵胞・黄体どちらからも放出されるエストロゲンと、黄体からのみ放出されるプロゲステロンの2種類の女性ホルモンが、下の[イラスト3]に示したような周期性変化を示すようになるのです。
この2種類の女性ホルモン量は、常に脳の中の間脳という部位でチェックされていて、ホルモン量が少なければLH、FSHを増量するように、多すぎるならばLH、FSHを減量するようにという命令を脳下垂体に向かって出すという形で調節を行っています。これをフィードバック機構と呼びます。間脳から脳下垂体への命令は、LH-RH(LH-releasing
hormone;LH放出ホルモン)というホルモンを介して行われています。
このように、卵巣の機能は脳下垂体とその上部にある間脳(視床下部)によって調節を受けているわけですから、このため卵巣の機能も間脳に影響する事柄には敏感に反応することになります。
つまり、不摂生、ストレス、睡眠不足などがあると、これらの事柄は間脳の調節機構を介して卵巣機能にも直接影響することになるわけです。
これが、ストレスなどによってホルモンバランスが崩れる原因ねす。
以上が、LH、FSHについての概要です。
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