レディースホームFAQD.おりもの・かゆみ・膣&外陰部の異常編

1.正常なおりものと、異常なおりものの区別は?

 

 

 まず、正常なおりものというのは、無色透明あるいは白色で、無臭、当然かゆみや痛みは伴わないものです。下着やナプキンにつくと多少黄色っぽくなることもありますが、概して上記のようなものであると思って良いし、またこのようなおりものの場合には多少量が多くてもまず心配は要らないでしょう。
 また、おりものは体調によっても変化しますし、一周期の中でも変化するものです。概して生理直後はおりものは少なく、続いて排卵期になると無色透明で粘りけのあるおりものが増え、生理前になると排卵期ほどではないにしてもおりものが増えた感じがするのが普通です。
 排卵期には無色透明で粘り気のあるおりものが増えるだけでなく、時に少量の出血が混じること(排卵期出血)もあります。これについてはこちらを参考にして下さい。
 また、どう考えてもおりもの自体は正常だと思うのに、それでもその量が多くておかしいと思う場合には、びらんが問題になります。びらんについてはこちらを参考にして下さい。

 一方、異常なおりものというのは、かゆみや痛みを伴うこと、色が黄色や褐色であること、悪臭があること、べたつくなどの性状の変化があること、などがある場合でしょう。

 かゆみがある、という場合には、カンジダ膣外陰炎トリコモナス膣炎細菌性膣外陰炎外陰コンジローマなどが可能性としてあげられます。それぞれの疾患については各疾患ごとに解説がありますので、それぞれの解説のページを参考にして下さい。また、かゆみの感じ方によるおおまかな鑑別はこちらを参考にして下さい。  

 色では、黄色、黄緑色などに感じたらまず異常があると疑って良いでしょう。
 カンジダでは白色の場合もありますが、概して何らかの異常があればおりものの色は上記のように変化するものです。また、茶色い色の場合にはこれは不正出血と考えた方が良いので、その場合にはこちらを参考にして下さい。  

 悪臭がある場合も同じく異常があると思って良いでしょう。
 悪臭があると感じる場合には、トリコモナス膣炎、細菌性膣炎、膣内異物(例えばタンポンの抜き忘れやコンドームの遺残など)の可能性があります。しかし臭いだけでは疾患の鑑別は不可能ですので、産婦人科で診察を受けて下さい。  

 性状の変化では、代表的なのがトリコモナス膣炎での「(黄色い)水っぽいおりもの」でしょう。このほか、細菌性膣炎でも水っぽくなることがありますが、こちらはむしろ黄色くてべたついた感じとしての自覚の方が多いように思います。淋菌性のものでは特にべたついた感じが強くなります。
 クラミジアのような頸管炎ではあまり症状としては出てきませんが、症状が出る場合にはやはり黄色っぽくて少しべたついた感じとして自覚できるでしょう。  

 以上が、正常なおりものと異常なおりもののおおまかな鑑別です。