レディースホームFAQD.おりもの・かゆみ・膣&外陰部の異常編

4.臭いのあるおりものが出るようになった

 

 

 トリコモナス膣炎、細菌性膣炎(下記参照)、膣内異物などの可能性があります。
 「正常なおりものと異常なおりものの区別は?」の記載にもありますが、悪臭を感じるという場合にはまずおりものに異常があると思って良いでしょう。
 この場合には病院を受診して下さい。  

 悪臭というのは、おりものが膿性である(膿んでいる状態である)ために起こるもので、細菌などが膣内に入り込んだためにそれを退治しようと白血球が現れ、その結果としておりものが膿性に変化するわけです。
 炎症が落ち着いている状態であれば、膣内の洗浄だけでも治ってしまうことがありますのでビデを試してみてもいいのですが、2〜3回試しても治らない場合には病院を受診したほうが良いでしょう。
 STD(性行為感染症)でも悪臭を伴うおりものがある場合があるので、できるだけ産婦人科へ行ってきちんと治療を受けることが望ましいことは言うまでもありません。

 

 

 *細菌性膣炎について   

 膣は外界と接しているため、細菌が入りやすい状況にあります。
 しかし、通常膣内には自浄作用といって、侵入してきた細菌を繁殖させないようにする働きがあります。この働きに関係するのが、生理という現象(洗い流すわけですね)と、膣内に常在するデーデルライン桿菌というものです。デーデルライン桿菌は外部から侵入してきた菌の繁殖を抑えるために膣内で「飼い慣らしている」ような菌と言っても良いでしょうか。
 しかし、大腸菌などの腸球菌やブドウ球菌、溶連菌などの菌は、時として膣内でこの自浄作用をかいくぐって繁殖することがあります。これらのいわゆる病原菌が、膣内で増殖すると、菌を退治するために白血球が膣内へ侵出してきて、菌と戦いを起こすようになります。これが炎症であり、膣内で起これば膣炎ということになるわけです。
 その結果として戦いの残骸、すなわち「膿(うみ)」ができてくるため、黄色っぽいおりものが増えるようになります。また、膿ですから悪臭を伴うようになります。
 こうして起こるのが、細菌性膣炎です。   

 細菌性膣炎によるおりもの(概して黄色ないしはクリーム色で臭いのあるおりもの)が外陰部へ出てくると、このおりもののために外陰部で炎症を起こすことも多く、外陰部にかゆみを起こしてきます。
 このような外陰部の炎症に対しては、抗生剤入りの軟膏やステロイド入りの軟膏を用いて治療します。

 また、細菌性膣炎による炎症がひどい場合、あるいは炎症が長期化した場合などでは、炎症がびらんへ波及すること、あるいは性行為によって膣壁やびらんに機械的刺激が加わることによって、不正出血を起こすこともあります。
 黄色っぽい、あるいはクリームっぽいおりものが増えたと思ったら、やはり病院で診察を受けておくべきでしょう。

 

   ■細菌性膣炎に関するリンク
    ・びらんと細菌性膣炎による出血
    ・性行為による出血