人工妊娠中絶後に異常があった場合にはその可能性があります。
通常、人工妊娠中絶手術後は１週間〜10日ほど出血が続きますが、その後は出血は止まりおよそ１ヶ月ほどで生理が再開するのが普通です。生理が再開するまでの期間は個人により多少のばらつきはありますが、この間は妊娠前の身体の状態とさほど差がない状態にある（つまり、特に異常だと思われるような症状はない）のが普通です。
しかし、出血がいつまで経っても止まらない、お腹の痛みがいつまでも続く、発熱した、いつまで待っても生理が再開しないなどの異常があった場合には、掻爬術により内容が完全に排出されていない、子宮内あるいは卵管や骨盤内で炎症を起こしている、子宮内で癒着を起こしている（アッシャーマン症候群）、などの異常が起こっていることが考えられます。もしも術前に超音波で子宮内に妊娠していることを確認していなかった場合には、子宮外妊娠である可能性も否定できません。
このような異常が中絶後に起こった場合、最悪妊娠することを諦めなければならない場合もあります。
卵管や骨盤の炎症による卵管閉鎖であればまだ体外受精による方法も残されていますが、子宮の中で炎症や癒着が起こってしまった場合には妊娠できなくなる可能性が高いと思った方が良いでしょう。
中絶後しばらくは、子宮の中では一生懸命に修復が行われているわけですから、この時期に身体を無理するとこのような異常を起こすことが考えられます。特に大事なのは出血が止まってくるまでの間です。
中絶手術後１週間前後に医師の診察を受けるように指導があるものと思いますが、この診察で異常なしと診断されるまでの間はあまり無理をせずなるべく安静を心がけるようにすべきでしょう。当然のことながらこの間はセックスは厳禁ですし、スポーツやハードな仕事も控えるべきでしょう。入浴についても医師からの許可があるまでは控えるようにして下さい。
なお、できれば妊娠中絶術後には基礎体温を測ることをお勧めいたします。
基礎体温を測ることによってある程度身体の変調をつかまえることが可能ですし、また術後にきちんと排卵が起こっているかどうかを確認するためにも有用なものです。排卵の有無は中絶術後に妊娠が可能かどうかを判断する上でも最も大切なものですから、その意味でも基礎体温をつけておくことは大事な意味を持つものです。
基礎体温の測定の仕方はこちらを参考にして下さい。
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