1.円錐切除術とはどういう手術ですか? | 
  
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        円錐切除術 Conization というのは、通常子宮頚部の前癌病変ないしは頸癌初期病変に対し行われる手術です。難治性のびらんに対して行われることもありますがまれで、まずは上記疾患に対して行われるものと考えて良いでしょう。  さて、では円錐切除術についてを説明いたしましょう。 
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 イラストに示した通り、びらんの周囲を輪状に切開し、頸管に向かって円錐形に切開を入れて子宮頚部を切除する、というのがこの手術の術式になります。切開には通常のメスのほか、電気メスやレーザーなどを用いることもあり、電気メスやレーザーでは出血量をおさえる効果が期待できます。  | 
  
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|  いっぽう、摘出した組織は組織検査にて詳しく調べることになりますが、下のイラストのように切開して組織標本として切り出します。この操作は子宮膣部を12方向に切り出して、すべての方向について(1時〜12時方向と呼び分けます)検査をするのが普通です。 こうして全方向について病変を調べ、最終的診断を下すことになります。  | 
  
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| 上記のように切り出した組織片において、正常部分から上皮内癌部分へと移行している部分の顕微鏡下組織を参考として下に示しました。通常はこのようにクリアカットに分かれるわけではなく、正常上皮→軽度〜高度異形成→上皮内癌というように、間に移行段階をはさむことが多いのですが、わかりやすい例として示してありますのでご了承下さい。 | 
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では最後に、円錐切除後の注意点についてお話ししましょう。  まず術創の治癒に要する期間ですが、およそ1〜1.5ヶ月と考えて良いでしょう。通常 Strumdorf 縫合には吸収糸を用いますが、糸が溶けている間には出血が起こる可能性があると考えて良く、したがって術後およそ1ヶ月半以上経過するまではおりものに血が混じっても不思議はないと考えて良いです。 なお、この手術を行ったあとに妊娠を考える場合ですが、まずきちんと検診を受けて医師から妊娠しても良いという許可が下りてから妊娠するように心がけて下さい。また、妊娠した場合には頸管無力症をきたしやすく、場合によっては頸管縫宿術が必要となることも知っておくと良いでしょう。  | 
  
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