子宮筋腫は、エストロゲン(卵胞ホルモン)に依存して大きくなると言われています。
従って、エストロゲンを抑えるような治療をすれば筋腫の発育は抑えることができます。
エストロゲンを抑える治療についての詳細は子宮内膜症の項にありますので、こちらを参考にして欲しいのですが・・・
問題は、このような治療をどの程度の期間続けて良いものか、ということです。
子宮内膜症の治療においても同じことが言えるのですが、エストロゲンを抑えることで病気の進行を抑えることは可能ですし確かにこういう治療をすることで筋腫自体の大きさも縮小することは事実です。
しかし、エストロゲンを抑えるということは、一方では身体が更年期状態に陥るということを意味するわけで、当然投薬中には更年期症状に悩まされますし、そして何より考慮しておかなければならないことは骨密度の低下という問題です。
つまり、骨粗鬆症の心配が潜んでいる、ということですね。
病気に対しての効果が期待でき、しかも骨粗鬆症を起こす心配がない期間内で治療するのが望ましいとなると、それはいったいどのくらいの期間なのか?
この答えは、子宮内膜症の治療においては6ヶ月、子宮筋腫では4ヶ月なのです。
子宮筋腫で期間が短くなっているのは、4ヶ月以上続けて投薬しても、筋腫の縮小効果はそれ以上期待できないという理由からです。
以上の記述から理解していただけるものと思いますが、薬で筋腫を治療するということに関して言えば、
「あくまで一時的に筋腫を小さくする必要がある場合」
にのみ適応となるものであって、根本的に筋腫を治療できるものではないのだということになります。
根本的に治療を考えるならば、現時点では手術治療しかないのだということです。
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