レディースホームFAQG.子宮筋腫に関するもの編

4.お腹を切らなくても筋腫を取ることができるのか?

 

 

 「膣式子宮全摘出術」(Vaginal Total Hysterectomy;VTH)という手術法があります。
 あまり子宮全体の大きさが大きくなっていない筋腫の場合には、この手術法によって開腹しないで手術をすることが可能で、この方法だとお腹にキズを残すことなく子宮を摘出することができます。
また、「腹腔鏡下膣式子宮全摘術」(Laparoscopically-Assisted Vaginal total Hysterectomy ; LAVH)という、腹腔鏡による補助を行いながら膣式に子宮を全摘する手術方法も行われるようになってきています。この手術法は前述のVTHに比較すると、腹腔鏡により腹腔内の状態を観察できるためより安全に手術を行うことができること、腹腔鏡による補助手術(靱帯を切る、癒着を剥離するなど)を行うことでVTH単独では不可能な方の手術でも可能にすることができること、などのメリットがあります。
 しかし、「筋腫核出術」(Myomectomy)は一般的には膣式にできるものはありません。この場合はまず開腹しなければ不可能であり、従ってお腹にキズが残るのは仕方のないことでしょう。   

 しかし、最近手術方法の進歩に伴い、腹腔鏡下に筋腫の核出術を試みている施設や、子宮鏡を用いて筋腫の核出術を試みている施設などもあり、できるだけ身体への負担が少なくてすむようにという試みがなされているようです。とはいえ、まだまだ公的な一部の施設だけでしか行われておらず、またこの種の手術が可能となる適合条件も関与すること(筋腫のできている場所、大きさなど)から、必ずしも 一般的なものではないことをご了承下さい。   

 従って、現時点で一般的にお腹を切らないで手術が可能というのは、子宮筋腫の場合でも手拳大前後までの子宮の大きさのものに限られ、しかも子宮を全摘出する場合だけに限る、と考えて良いのですが、病院によってはLAVHやLAM(腹腔鏡下筋腫核出術)による手術を考慮してくれるかもしれませんので、事前に確認を取っておくと良いかもしれません。