レディースホームFAQS.手術に関するもの編

2.頸管縫宿術ってどういう手術ですか?

 

 妊娠中期以降の流早産の原因として最も多いものは頸管無力症であり、原因の約半分を占めていると言われています。妊娠中・後期になって、何の誘因もなくまた陣痛様の痛みもないままに、自然に子宮口が開いてしまうことにより流早産に至るため、その治療ないしは予防策として、子宮頸管を縫宿する手術が行われるのが一般的です。
 通常はシロッカー手術 Shirodkar operation ないしはマクドナルド手術 Mcdonald operation が行われ、前者は内子宮口の高さで、後者は内子宮口よりやや下方の位置で子宮頸管を結紮するもので、前者では子宮頚部の前方(膀胱側)と後方(直腸側)で切開して直接筋層に糸をかけるのに対し、後者では切開を入れずに子宮頚部に4ないし5方向の縫合を入れるというのが異なる点になります。
 下のイラストを参照して下さい。

 いずれの手術においてもかなりの流早産予防効果が期待できるものですが、前&後膣壁を切開した上で糸をかけるというシロッカー手術に比べて、手技が簡単であり手術時間も短くて済む(=手術操作による流早産の誘発も少なくできる)マクドナルド手術の方が一般的に好んで行われるようです。
 術後にお腹の張り(=子宮の収縮)が起こって陣痛となり、分娩に至ってしまう可能性があることがこの手術の最大の欠点であり、その意味では諸刃の剣的な面を持つ手術ですが、侵襲が少ない手術であるため、お腹の張りさえ抑えることができれば日帰りも可能となるものでもあります。まあ一般的には3〜4日の入院期間と考えておいて良いと思います。
 なおこの縫宿した部分ですが、妊娠10ヶ月に入って胎児の発育も順調であり、もう分娩に至っても大丈夫であると判断された時点で抜糸するのが普通です。抜糸後は個人差はありますが、数日以内に分娩に至るのが普通であり、抜糸当日に分娩となる場合も少なくありません。

 以上が頸管縫宿術の概要です。

 

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