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8.胞状奇胎について教えて下さい |
胞状奇胎の病態について |
●病態 精子と卵が受精をしてから2週間以上経過すると、受精卵は子宮内へ到達し子宮内膜に着床します。この時、受精卵は胎児へ発生する「胎芽」部分と、胎盤へ発生する「絨毛」とに分かれる状態にまで発生しています。
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絨毛部分が異常増殖しても胎芽部分も発育している場合がありますが、このようなケースを部分胞状奇胎と呼びまず。一方、胎芽部分が全く発育せず子宮腔内が絨毛の異常増殖だけで占められている場合には全胞状奇胎と呼ばれます。 肉眼的に見ると、異常増殖して水疱状になった絨毛がブドウの房状に見えるので、別名「ブドウ子」という呼び名があります。 右の写真は胞状奇胎の写真ですが、ブドウの房状になっている絨毛の変化がわかりますでしょうか? |
胞状奇胎が起こる原因は、
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●症状 さて、胞状奇胎の症状ですが、一言でいうと
●治療 治療の第一は子宮内掻爬をすることです。
●奇胎後の管理 経過が順調である場合には、2〜4週間ごとの通院により管理を行います。
●次の妊娠は? きちんと管理を受けたあと、「もう妊娠しても大丈夫」という医師からの許可が下りれば、次の妊娠にトライしても大丈夫です。 |
***侵入性奇胎に関して胞状奇胎が子宮内膜から子宮筋層まで侵入していった場合、これを侵入性(破壊性)奇胎と呼びます。子宮内掻爬によって奇胎を除去できるのは子宮内膜内にあるものだけで筋層に侵入しているものまでは掻爬できません。たとえ子宮鏡で子宮内腔を見ることができたとしても、肉眼では確認できないような病変までは処置できませんから、治療の手段としては抗ガン剤を用いての治療か、もしくは子宮を全摘する以外ありません。
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侵入性(破壊性)奇胎では、奇胎組織が子宮筋層内に侵入するだけではなく血行性ないしはリンパ行性に転移をすることもあり、細胞自体がガン細胞ほどの悪性を帯びたものではないため命に関わるような危険性は多少少なめとはいえるものの、放置するのは大変危険なことと言えるでしょう。 |
***存続絨毛症に関して 存続絨毛症というのは、胞状奇胎の処置後、絨毛がまだ体内に残存している徴候の見られる状態をいい、臨床的にはそれが侵入性奇胎か絨毛癌かの区別がつくものの、組織学的には両者の鑑別がつかない状態を称していうものです。
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