6.チョコレート嚢腫ってなんですか? |
一般的にはチョコレート嚢腫ともいわれますが、正式には「チョコレート嚢胞」というのが正しい呼び方です。嚢腫と嚢胞とは本来は異なるもので、一言でいうと前者は腫瘍性病変、後者は非腫瘍性病変という相違があります。嚢胞は「ただ液状成分が貯留しただけのもの」であるのに対して、嚢腫は嚢胞壁を形成する細胞の腫瘍性増殖(制限なしに細胞が増殖していく状態)を伴っているというところが違う、ということです。
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イラストを見ながら説明しましょう。 治療には一般的な子宮内膜症の治療としての薬物治療が主体となりますが、癒着を招くことが多いこと、再発しやすいこと、茎捻転の可能性などを考慮すれば、やはり外科的治療(=手術療法)が望ましいものです。 |
**アルコール固定術について 腹腔鏡下または膣式超音波下に穿刺針を刺入、内容を吸引し洗浄した後に、純度の高いエチルアルコールを注入して10〜15分留置すると、嚢腫内壁面にある子宮内膜細胞がアルコールによって固定されます(ホルマリン固定のようなものです)。ホルマリンと違ってエチルアルコールは人体には無害なものですが、アルコールがまったくダメな人には不向きな方法でしょう。
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