レディースホームFAQD.おりもの・かゆみ・膣&外陰部の異常編

5.おりものは多くないが、かゆみがある

 

 

 この場合でも、まずカンジダ膣炎細菌性膣炎などの膣炎が原因で外陰部にかゆみが起こることがあることを知っておきましょう。これらの疾患ではあまりおりものが多いと自覚されなくても膣炎を起こしている場合があり、そのためにかゆみが起こっているということは珍しいことではありません。  

 さて、おりものがまったく正常であるのに外陰部にかゆみがあるという場合、代表的なのは白癬菌による外陰炎でしょう。輪郭のはっきりした斑状の病変を形成し、辺縁に近い部分で特に発赤と堤防状隆起が目立ち掻痒感が強いというのが特徴です。いわゆる、インキンタムシと同類の疾患です。
 抗白癬菌剤の軟膏を塗布して治療します。
 

 この他よく見られるのは、外陰部の皮膚が湿潤している状態にある時(要するに、ムレている時)に細菌感染を起こして外陰炎となる時で、肥満傾向にある方、糖尿病のある方などに起こりやすいものです。
 外陰部を清潔に保ち抗生剤入りの軟膏を塗布することで軽快します。  

 少数例としては、アレルギー皮膚炎(接触性皮膚炎)があげられます。下着やナプキンとの接触が原因で起こす皮膚炎ですので、素材を選んで身につけることで対処します。

 他に、ケジラミ症、疥癬、乾癬などの皮膚疾患、外陰癌などもかゆみを起こす疾患としてあげられますが、かなりまれな方でしょう。  

 また、比較的まれではありますが、不適切な治療を繰り返したり、むやみやたらに軟膏を塗布し続けたりした場合などに、外陰部の皮膚が慢性的皮膚炎状態となり、かえって状態を悪化させてしまっているというケースがあります。
 厚皮化してくるとその皮膚炎の治療に数ヶ月を要してしまう場合もあります。
 できる限り自己判断で薬の使用を止めてしまわないように、少なくとも2週間以上使い続けても良くならない場合には必ず先生に判断を仰ぐようにして下さい。