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不妊症として治療される方の中に子宮内膜症の方が多いことは間違いないことです。 以前は、子宮内膜症があると不妊症になりやすいという理由は子宮内膜症が卵管 卵巣、子宮、腸管などと癒着を起こしやすく、これが精子や受精卵の通過の妨げになるためだと考えられていましたが、最近では子宮内膜症の発症に免疫系の関わりがあることがわかってきて、この免疫系統の異常が不妊症に結びついているのではないかと言われています。 とはいえ、内膜症による癒着は下の写真のように、卵管、卵巣、子宮や腸管を巻き込んで発生することも多く、これが不妊症の原因になっているケースはまれではありません。 このような癒着があるかどうかは、ひどい癒着になれば内診でも判別可能にはなりますが、写真程度の癒着ではまず判別ができないことが多く、そのため不妊症の方はこのような病変の有無を確認するという意味でも腹腔鏡の検査を受けておくと良いと言えるでしょう。
子宮内膜症と免疫の異常との関係はまだ確立されたものではありませんが、たくさんの研究報告において関連性があるとの指摘を受けています。不育症、習慣性流産がSLEなどの自己免疫疾患と関係があることも示唆されており、子宮内膜症との関係も含めて、これからの研究に期待したいところです。 とはいえ、子宮内膜症があると必ず不妊症になるというわけでもなく、むしろ子宮内膜症がありながらも妊娠できる人の方が圧倒的に多いと思って良いと思います。 ですから、あまり悲観的になることはないと思います。 ただ、だからといって子宮内膜症を治療せずに放置すれば、これはかなり高い確率で不妊症に陥る可能性があると思いましょう。卵管が癒着を起こして閉塞してしまえば体外受精しか妊娠できる道はなくなってしまいますし、さらに悪化すれば妊娠を望めなくなる場合だってあることを知っておくべきでしょう。