レディースホームFAQA.基礎知識編

1.生理を遅らせるにはどうしたらいいの?
  生理を早める方法もありますか?

 

    1.生理を遅らせる方法について(→以下)
    2.生理を早める方法について

 

1.生理を遅らせる方法について

 生理というのは、卵巣から分泌されている二種類のホルモン(卵胞ホルモンと黄体ホルモン)が、妊娠が成立しなかった場合には急激に減少し、この結果子宮内膜が剥奪して出血するようになる、という現象のことを指します。

 しかし妊娠が成立した場合にはこの二種類のホルモンは持続して卵巣から分泌されるようになり、この結果生理が起こらなくなるようになります。

 

 

 したがってこれを踏まえて考えると、生理の数日前から減少してくるこの二種類のホルモンを補充してやれば、その補充している間じゅうは生理が来なくなるんじゃないかということが予測されます。
 これが、生理を遅らせる方法の基本になります。(下のイラスト参照)具体的には、次の予定生理が始まる3日〜5日前から、卵胞ホルモンと黄体ホルモンを補充するという方法を取りますが、これに用いる薬剤が卵胞ホルモン+黄体ホルモンの合剤、すなわちピルということになります。
 生理がもともと順調にある人の場合には、予定生理の3日前からピルの服用を開始すれば、ピルを飲んでいる間は生理を止めておくことができます。不順な人の場合では、ある程度生理の始まる日の目安をつけておいて、生理が始まると思われる日ないしは止めておきたい日よりも5日ほど前から服用を開始すればまず大丈夫でしょう。1日1〜2錠、生理が来て欲しくない間だけ飲み続けていけば、服用を止めるまで生理を遅らせることが可能となります。そして、ピルの服用を中止するとだいたい2〜4日後には通常通りの生理が起こるようになります。

 ただし、ピルは病院で処方してもらわないと入手できませんのでご了承を。

 

 

2.生理を早める方法について

 さて、では生理を早める方法はないか?という疑問が浮かんできますが、今まで述べてきたことを利用すれば生理を早めることも可能になります。下のイラストを参照しながら、お話を進めていきましょう。

 

 

 イラストのように、生理の終わり頃(だいたい4〜7日目)からピルの内服を開始するとします。すると、内服を開始した時点からホルモンの状態が妊娠した時と同様の状態(=排卵後の高温期と同じ状態と考えても良いです)になるため、この状態が少なくとも7日以上続いていれば、服用を止める時点までは子宮内膜は妊娠時(=高温期)と同様の状態を維持することになります。ここで内服を中止すると、その時点から急激にホルモン量が減少することになり(すなわち生理が来る前と同様の状態となり)、服用を中止した日から2〜4日後には生理が起こることになります。

 具体的に例を挙げましょう。
 例えば今月10日から生理があったとして、28日周期で生理が来ているものとすれば来月8日頃から生理が始まる予定だということになりますね。ところが来月5日から20日まで海外旅行があって、ちょうど旅行中に生理にぶつかってしまいそう・・・
 という場合があったとしましょう。(下のイラストのAの場合です)
 イラストを参照しながら考えてみてください。

 

 

 まずBの場合です。これは生理を遅らせるためにピルを内服する場合を示したものです。
 このケースでは、翌月の予定生理の日(=翌月の7日)の3日前にあたる、翌月の5日頃から内服を開始して生理を遅らせることになります。しかしこれでは、旅行中はずっとピルの服用を続けなければならなくなります。
 一方、Cの場合のように、今月の生理の終了する頃(つまり今月の15日頃)から内服を開始して、その日から最低1週間以上服用してから内服を止めるとすると、服用を中止した日から2〜4日で生理が始まることになります。15日から25日まで服用して止めたとすれば、だいたい27〜29日くらいから生理が始まることになる、というわけですね。
 この場合、次の生理はここから今までの周期どおりに来るようになりますので次の生理は翌月の24〜26日あたりから始まることになり、みごとに旅行中は生理にならないですむ、ということになります。もちろん、旅行中に薬を飲み続ける必要はないことになりますね。
 ちなみにこの場合、服用中は妊娠しているのと同様の状態になりますので、服用を開始してから服用を中止して生理が来るまでの間は排卵が起こらないことになり、結果として100%の避妊効果も得られることになります。ただし、旅行中に排卵日を迎えることになりますが。
 
 これを応用して考えると、生理の終わり頃からピルの内服を3週間行い、服用を中止して生理を起こすようにする、ということを繰り返していけば、おおよそ28日周期で生理が来るようになり、しかも排卵が抑えられますから100%の避妊効果が得られることになりますね?
 これがいわゆる経口避妊薬として用いる方法になります。

 なお、一般的にですが・・・
 ピル内服により生理を遅らせた場合は通常より生理の量が多くなり生理痛もいつもよりひどくなることが多いようで、逆に生理を早めた場合には少量で痛みも少ない場合が多いようです。

 ところで、ピルを服用することによって生理を遅らせるということは、言ってみれば妊娠した時と同じ様な状態を作り出しているわけですから、副作用も妊娠初期に類似した症状を呈することが多いようです。
 具体的には、吐き気・頭痛・めまい・身体のだるさ・微熱感などですが、大抵は服用開始直後だけで飲み続けているうちに慣れてくることが多いようです。このような症状はそれが強く出る人とそうでない人がありまして、個人差が激しくまた体調などにもよりますので、服用時にはご注意下さい。  

 また、肝機能障害などの副作用については「ピルの効能と副作用」も参考にして下されば良いと思いますが、こういった副作用は生理を遅らせるだけの短期間の服用ではまずは心配はないと思います。避妊を目的に服用を考えたいという方は、こちらにも目を通しておいて下さい。

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