5.血液型不適合妊娠って? |
Rh(-)の血液型の女性がRh(+)の胎児を妊娠した場合に問題となるもので、何らかの原因により胎児血が母体側に紛れ込んでしまうことが原因で起こるものです。胎盤に関する何らかの異常(常位胎盤早期剥離、梅毒など胎盤への感染症、前置胎盤での出血など
)、流産や人工妊娠中絶、羊水穿刺などが不適合妊娠を起こす原因として考えられるものです。
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●Rh型血液について ヒトの赤血球は、その細胞表面にある抗原の種類によりいくつかのタイプに分けられることが知られており、そのタイプの分け方によってABO式、Rh式、MN式などの分類がなされています。
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●抗体の形成 まず、「抗体」の形成に関するお話からいたしましょう。
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体外から異物が侵入すると、それを認識し攻撃して自らを守ろうとする働きがあり、これを免疫と呼びます。免疫機構はイラストのように、まずマクロファージという体内をパトロールしている細胞が異物を発見し捕食することから始まります。
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●胎児溶血性疾患 胎児は胎盤を通して母体から栄養分や酸素の供給を受け、老廃物を母体血側へ送って母体に排除してもらっています。しかし、母体血と胎児血は直接混じり合うことは決してなく、絨毛膜というバリアを通して栄養分や酸素のやり取りを行っています。
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●出産後の注射 問題なく通常の分娩にまで至った場合でも、次回の妊娠時に抗体を産生することがないように、出産後に抗Dヒト免疫グロブリン注射を接種します。通常、分娩後72時間以内に行うようにします。
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