12.切迫流産で安静が必要といわれたのですが、どの程度安静にしたら良いのですか? |
1.切迫流産とは? |
妊娠組織は子宮の外へ排出されていない状態であるが、流産へ移行しようとしている状態にあるもの、具体的には子宮の中に妊娠していることが確認されていて、かつ不正出血が認められる場合を切迫流産と呼びます。胎児が発育していてもいなくても、「妊娠していて不正出血がある状態」を切迫流産と呼ぶわけですが、一般的には胎児が正常に発育していると考えられるにもかかわらず出血があるケースを指すことが多く、したがって「適切な治療により正常の妊娠経過に戻ることが可能である状態」のことを指している場合がほとんどであると考えて良いでしょう。 妊娠週数との関係では、流産というのは 「妊娠22週未満における妊娠の中断」 のことを指しますから、切迫流産においても「妊娠22週未満での流産しかかった状態」のことを指していることになります。 |
2.治療は? |
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治療の第一は、安静にすることです。 しかし、ただ安静にすることと言われてもなかなか見当がつかないものでしょう。 以下に安静の目安についてを簡単に記述しておきますので、参考にして下さい。 |
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以上が、安静についてのおおまかな目安です。 |
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この他に、投薬治療と注射による治療が併用されることがあります。 投薬では、止血剤と子宮収縮抑制剤が使用されることがほとんどです。 ●止血剤 --- アドナ、タジン、スムリン、トランサミン、トラネキサム酸、ニコルダ、ヘキサトロン等 ●子宮収縮抑制剤 --- ダクチル、ダクチラン、クラピノン、ズファジラン、ウテメリン、リトドリン、フレムーブ、ウテゾール、ルテオニン、ウテロン等 注射では、以下のどちらかが使用されることがほとんどでしょう。 ●HCG --- 妊娠黄体を刺激することにより間接的に黄体ホルモンの分泌を促進させる。 ●黄体ホルモン剤 --- プロゲホルモン、プロゲストン、ルテウム、プロゲデポ等 (黄体ホルモン剤は内服もある → ヒスロン、プロベラ等) |