8.子宮を全摘したらどうなるのでしょうか? |
子宮の全摘出術は、子宮筋腫、子宮癌や卵巣癌、子宮内膜症(特に子宮腺筋症)などの疾患に対して行う手術で、以下の術式があります。 |
●子宮摘出後の膣の断端イラストは、単純子宮全摘術を簡単に模式的に描いたものです。 これを見てわかるように、子宮は膣の方へ一部出口を覗かせている形になっていますから、子宮を摘出すると膣の一番奥の部分に穴があくことになります。これをこのままにしておくわけにはいきませんから、通常は体内で溶けて吸収される糸(吸収糸)でイラストのように縫合します。 このため、術後から、糸が完全に溶けて傷がしっかりと癒えるまでの間は、おりものに多少の血が混じってもおかしくはないことになります。 |
●子宮摘出後の骨盤の中は? |
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また、子宮を摘出した後のお腹の中は、子宮がなくなったスペースに腸が動いて来るだけで、決して空洞ができてしまうわけではありません。例えて言えば、骨盤はお椀のような形をしていて子宮はその底の部分からお椀の中に向かって突出しているようなものですから、この突起がなくなってお椀本来の形に戻るようなものなのです。 右のイラストを参照してもらうとよりわかりやすいかもしれませんね。 |
●卵巣が残っている場合、卵巣の状態は? さて、卵巣を摘出した場合は後述するとして、卵巣が残っている方はいったい卵巣はどうなっているのかが気になるものと思います。 |
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●ホルモンバランスは崩れるのか? ところで、最も気になるのはホルモンの状態がどうなるのだろう?ということだと思います。 ということは、卵巣を片方ないしは両方摘出した場合は? では片方だけ卵巣を摘出した場合はどうでしょう? ちなみに、ホルモン欠落症状としては以下のような症状があげられます。 |
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●術後の生活については? それぞれに関して、箇条書きにしておきます。
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家事
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退院後数日後から、軽い労作のものから。簡単な炊事、洗濯程度から始めて、様子を見ながら掃除などを行うようにすること。 | ||
仕事
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軽い労作(事務職等)なら、術後3〜4週間後から。比較的体力を必要とする仕事(重いものを持つ、立ちっぱなし、歩き続ける等)では術後1ヶ月半〜2ヶ月後から。ただし体調を良く見た上で。また、通勤に時間がかかる場合はそれも「体力を要するもの」と考えておくこと。 | ||
旅行
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術後1ヶ月半〜2ヶ月後以降に。 | ||
車の運転
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術後1ヶ月以上経ってから。ただし、最初は近所の買い物程度からのこと。遠距離(1時間以上の運転)はなるべく近距離の運転に慣れてから。 | ||
入浴
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通常は、術後1ヶ月以上を経過してから。退院後初めての診察を受けて、異常がない場合にはその後からでも良い。 | ||
性生活
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通常は術後1ヶ月以上経過してから。ただし、膣断端の縫合部分の吸収糸が完全に溶けるまでにはおおよそ2ヶ月近くを要するため、それまでの間は性交後に出血を起こす可能性があるので注意を。 | ||
運動
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ストレッチ程度にしても、術後2ヶ月以上を経過してから。本格的スポーツは、できれば3ヶ月以上経ってからが好ましい。 |